Do you love“me”?
「りょ、稜君……?」
「なーに?」
「こ、ここ病院だから」
僅かに上擦ってしまった私の声に、クスッと笑った稜君は、相変わらず口元に妖しい笑みを浮かべたまま私を見上げる。
「“病院だから”、なに?」
「え……っと」
いや、そう言われると困るんだけど。
「10、9、8――」
「えっ!? な、何!?」
それでなくとも焦る私の目の前で、稜君が何故か突然カウントダウンを始めるから、訳が分からず益々アワアワ焦り出す。
「ちょ、ちょっと……ホントに何!?」
「3、2、1――」
「……」
止めることも出来ないまま小さくなっていく数字に、ゴクリと息を呑んだ。
「ゼロー」
「きゃっ!!」
数字が“0”になるのと同時に腕を掴んだ稜君は、そのままれグルッと器用に体を反転させて、入れ替わるように私の上に覆いかぶったんだ。
ななななななに!?
この状態はっ!!
「ちょっ、ちょっと!? 稜君!?」
「しー……。静かにしないと、外に聞こえちゃうよ?」
形のいい薄い唇に人差し指を当て、私を見降ろす瞳とその声に胸がギューッとなって、瞬きさえも出来ないまま、目を見開いて唾を呑んだ。