Do you love“me”?
あの日から、私と稜君はの関係は友人から恋人になり、それから一週間とちょっと入院をした後、彼は再びチームに合流した。
今は、別メニューでちょっとずつ復帰に向けて調整しているらしい。
私も仕事があるから、あの日以来稜君には会えていない。
「でも、十分幸せじゃない!」
そんな私の目の前には、枝豆を摘まみながらビールジョッキを傾ける、おっさん結衣の姿。
「まぁ、ねー……」
「なに? その歯切れの悪い感じ」
明日は稜君も私も休みだから、この後、会いに行く約束をしている。
でも今日は、チームメイトが退院祝いをしてくれるらしく、私は結衣に付き合ってもらって時間を潰していた。
あれから、また稜君の画像付きメールが復活して、それは病院に咲いてる花だったり、飛んで来た鳥だったり……一緒にサッカーをする、あの子供たちだったり。
写真家にもなれるんじゃないかって思えるくらい、可愛い写真を送ってくれる。
その話を結衣にしたら、「いいなぁ、いいなぁ!! 私なんてさぁ――……」と、今の彼氏との悲惨な状況を散々語られ、冒頭の一言を浴びせられたんだ。
「十分幸せではあるんだけど、“大事な話がある”って言われた」
「へっ? 何それ?」
「それが全く見当もつかないんだよねー……」
退院してちょっと経った頃、稜君に「休みの予定教えてー」と言われ、一ヶ月分の休日の予定を一応教えたんだ。
それで、明日が唯一、二人一緒のお休みで。
「その日に会って話したい事あるから」――そんな風に、言われて今に至る。