Do you love“me”?

久し振りに会うんだから、そりゃーワクワクしてるけど。

稜君のその言葉で、ちょっと――というか、かなり緊張してるのは確かだ。


「心なしか、胃がシクシクします」

ポテッとテーブルに倒れ込んだ私を見て、結衣はちょっと唸って、

「まぁ、両想いだったわけだし! そんなに気になくていいんじゃないの~?」

そう言うと、私の頭をポンポン撫でた。


「う~ん……。そうだねぇー」

ちょっとだけ気を取り直して、身体を起こした丁度その時、テーブルの上の携帯が、メッセージの受信を知らせたんだ。


「稜君だ」

「なんだってー?」

「んとー……あれ?」

LINEを開くと、そこには本文がなくて、画像が添付してあるだけ。

だけどその画像を見て、私は思い切り噴き出してしまった。


「なに!? なに笑ってんのー!?」

そのまま顔を寄せ、私の携帯の画面を覗き込んだ結衣も、次の瞬間大笑い。


「あはははっ! 何これ!? 可愛い!!」

「わかんない! けど、ホント可愛いっ!!」

二人で盛り上がる視線の先には、

【こっちは終わったよー。迎えに行くけど、どこにいる~?】

というコメント付きの……稜君のバイクに跨る、大きなナマケモノのぬいぐるみの画像。


まだ笑い続けている結衣に一言声をかけ、稜君に電話をかけると、三コール目で出た稜君の、楽しそうな声が耳をくすぐった。


「もしもーし」

「もしもしー? 稜君……ナマケモノになっちゃったの?」

「ねー、そうらしいよー。ひどいよねー」

どうやら今日の退院祝いで、チームメイトから貰ったらしい、あのぬいぐるみ。

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