Do you love“me”?
「うん、可愛い! やっぱり、これにして大正解!」
目の前の、満足げに笑う稜君に、胸がギュッとしめつけられる。
「わざわざ、探してくれたの?」
「だって、これからは絶対にねーちゃんよりも、美月ちゃんの方が多く乗るわけだし! だから、美月ちゃん用!」
そんな稜君の言葉と、その気持ちが嬉しくて。
「美月……ちゃん?」
人目も忘れて、伸ばした腕を稜君の首に絡ませて、ギューっと抱きついてしまった。
「嬉しい……。すっごく」
そう言った私を、クスッと笑った稜君は、「美月ちゃん、意外と大胆だね~」なんて言いながらも、温かい腕で、私の身体をギュッと抱きしめ返してくれたんだ。
私を抱きしめたまま、身体を左右にユラユラと揺らした稜君は、
「一緒にいると、それだけで楽しいね」
小さな声で、そう呟いた……。
それから、私を離した稜君は、私の顔を覗き込んで嬉しそうに目を細める。
「帰ろっか! ポーキーも待ってるよー!」
“帰ろう”。
まるで、そこが私の居場所みたいに。
当然のようにそう言ってくれる稜君の言葉が、私にはとても嬉しかった。
「うん! 帰ろう」
一人暮らしをした事がない私にとって、稜君の家は、実家以外で初めて出来た“自分の帰る場所”だった。