Do you love“me”?
あなたの気持ち
「……んー」
ゆっくりと、覚醒していく頭の中。
差し込む光に、私はそっと目を開いた。
「あ……れ?」
まだ寝ぼけて頭がボーっとしているせいで、一瞬、自分がいる場所がわからずに、少し考え込む。
あぁ、稜君の部屋だ。
そう思うのと同時に、思い出すのは昨日の事で……。
「……」
寝起きなのに、心臓によくない。
昨日、あれから「よし! 寝よっか!」と、私の腕を引っ張り上げた稜君。
そのままちょっとドキドキしながら、初めて入った稜君のベッドルームには、ベッドと、間接照明、それに大きな観葉植物が一本。
「今、殺風景って思ったでしょー?」
私の反応を見た稜君は、大きな目を少し細めて笑った。
「普段は、本当にただ“寝るだけ”だからねー。不必要な物は置かない主義! 意外でしょ?」
「そうなんだー……」
もっとコチャコチャ、色んな物を置いてそうなイメージがあったから、確かにちょっと意外。
「あー、でも美月ちゃんが持って来たい物があったら、何でも持って来て置いていいからね」
そんな稜君の言葉に、私の頬は緩みっぱなし。
「じゃー手始めに、あのナマケモノ、こっちに連れてこよっか」
笑いながらそう言った私に「それはダメー」と、稜君は眉間に皺を寄せた。
“何でも”って言ったくせに……。
「えー、何でー!? いいじゃん! 一緒にベッドで寝たらいいじゃん!」
不満げに口を尖らせた私を見て、また笑った稜君は、次の瞬間にはスッとその表情を変えて、私の耳元でそっと囁いた。
「だって、美月ちゃんとの色んなこと、アイツに見られるのって嫌じゃない?」
「……っ」
驚いて飛びのいた私をケラケラ笑うと、そのままお布団をバサッと捲り上げ、そこをポンポンと叩いた。
「あとは、寝っ転がってポカポカしながら話そっか!」