Do you love“me”?


夕暮れの太陽が沈みかけた空を、低空飛行する飛行機は、何度見ても綺麗だと思う。

その景色を見上げる稜君の横顔を、私はぼんやりと眺めていた。


「そんな顔しないで」

「え?」

「――って、俺のせいか」

ポツリと零して、稜君は困ったように笑いながら、私の頬にそっと手を添えた。


「寒くない?」

「うん。大丈夫だよ」

「そっか……」

そのまま下を向き、自分の足元をを見つめて黙り込む。


「稜君?」

「……うん」

私の声に返事をした稜君は、何かを決意したように、ゆっくりと目を閉じ息を吐き出して、静かに目を開くと、私の瞳を真っ直ぐに見つめた。


「美月ちゃん、ごめん」

「……え?」

突然の謝罪に、それまで隠していた不安が湧き出てきてしまう。


「美月ちゃん、レンタル移籍って知ってる?」


ドクン――。

心臓がひとつ、大きな音を立てた。


「期限付き移籍とかとも言うんだけど」

「……」

真っ直ぐな瞳を見つめて、突っ立ったまま何も言えないでいる私に、稜君は話を続ける。


「俺、いつかはやっぱり海外でサッカーしたいと思ってて」

「海……外」

「うん」

航太君だって海外でサッカーをしているんだし、他にも色んな選手が海外のチームで活躍している。

だから、稜君が言ってる事だって、頭では理解している。


――でも。

「稜君も……行っちゃうの?」

つい口から零れ出てしまった私の一言に、稜君が息を呑むのがわかった。

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