Do you love“me”?
安堵の溜め息と共に、胸をなで下ろした私だったけど、稜君が続けて口を開いたから、思わず黙り込む。
「でも、離れている事で美月ちゃんに辛い思いをさせたり、悲しませたり、それに……」
そこまで言った稜君は、何かを決心するように瞳を伏せて言ったんだ。
「もしも美月ちゃんに、俺の他に好きな人が出来たら」
「……え?」
「俺には何も言わないで、別れていい。その人のところに行っていいから」
「――……っ」
「俺の勝手で、美月ちゃんを縛るわけにはいかない」
そんなバカみたいな事を言って、稜君は悲しそうに笑った。
「何で……」
「え?」
「何でそんなこと言うの!?」
私は悔しくて、悲しくて。
彼の言葉に、思わず大声を上げてしまう。
「私の気持ち、そんな程度だと思ってるの!? 私がどれだけ稜君の事を好きか……!!」
“全然わかってない”――そう口にしようとしたのに。
その言葉は、外の空気に触れる事はなく、不意に私の口を塞いだ稜君の唇に、吸い込まれて、溶けていった。