Do you love“me”?
「……」
二人の間に流れた、小さな沈黙。
その後ろで、搭乗の最終アナウンスが聞こえた。
「稜君、行ってらっしゃい」
「うん。行ってくる」
「頑張ってね!」
「もちろん!」
「じゃー、また」
「うん。ありがとう。……またね」
どうしても稜君からそれを切り出されるのが怖くて、最後は私から電話を切った。
「ふー……」
細く吐き出す息が、微かに震える。
泣くな。
泣くな。
目をつぶり、さっきまで稜君と繋がっていた、その携帯電話を握りしめた。
電話を切った瞬間なのに、思ってしまう。
「稜君の声、聞きたいなー……」
俯いて、涙が零れないように唇を噛みしめた私は、ゆっくり顔を上げた。
「働け、働け!」
まだ、始まったばかり。
頑張ろうね、稜君。