Do you love“me”?

別に相手に全部を合わせようだなんて思わないけれど、やっぱり好きな人の理想には近づきたいって思っちゃう。


「稜君は、その方がいい?」

「俺はねー……」

私の問いかけに、まるで勿体ぶるように言葉を止めて、ちょっとイタズラっぽく笑うから、何を言われるのかとドギマギしてしまう。


「う、うん」

「俺は、美月ちゃんが好き」

「え?」

「美月ちゃんが好きだよ」

まるで“当然の回答でしょ?”と言わんばかりの表情を浮かべて、あなたが優しく笑うから……。


「ポッチャリでも?」

「ポッチャリだとは思わないけど……そうなっても好き!」

「ボッテリでも?」

「う?……うん」

「ブヨブヨになっても?」

「……」

「嫌い?」

「す、好き」

明らかに無理をして、そんな事を言うから、思わず吹き出してしまった。


「あはははっ! そんなの私が嫌だよ!!」

笑いながらバスタブに体を沈めた私を、後ろからギュッと抱きしめて、彼がもう一度口を開く。


「もし万が一そうなったら、一緒にダイエットしようね」

「ならないから!」

それに突っ込んだ私を見て、ケラケラと楽しそうに笑っていた。

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