Do you love“me”?
「美月とこうやって試合観るの、久し振りだねー! あけちゃんが来られなかったのは残念だけど」
そう言いながらも、隣で嬉しそうにはしゃぐおねぇーは、相変わらず幸せそうで、
「あっ、見て見て!! 航太のでっかい旗っ!! あれくれないかなー?」
相変わらず、どこかすっとぼけている。
「ねー」
「んー? なにー?」
「そのマフラー、グルグル巻き過ぎじゃない!?」
しかも、長い髪の毛を頭のてっぺんでお団子にしているおねぇーの首には、グルグルと幾重にも巻かれた黒いマフラー。
私よりも小さなおねぇーは、肩から口の辺りまで、グルグル巻きでかなり怪しい。
「あー、無理矢理巻かれた。“首さみーよ!! アホかっ!!”って」
「旦那様に?」
「そう。自分はあんなに薄いペナペナ着て試合するくせにね」
ちょっと喋りにくそうに、マフラーを下にずらして笑う。
「相変わらず航太君は心配症だねぇー。ってゆーか、過保護?」
二人のやり取りを想像して、私は思わず笑ってしまった。
だけど、そんな私の笑顔を見たおねぇーの表情は、何故か少し困ったような表情で、首を傾げる私に静かに声をかけたのだ。
「ねぇ、美月ー?」
「ん?」
「大丈夫?」
その一言に戸惑って、一瞬言葉に詰まる。
「ちょっとだけかもしれないけど、私も美月の気持ちは解るから」
「……うん」
「辛かったら、いつでも話聞くからね」
「うん。ありがと!」
きっとおねぇーも航太君も、私と稜君の事を心配してくれているのだと思う。