Do you love“me”?

「でも、大丈夫!」

「……そう?」

「うん! 私ね、稜君と付き合って、すごく強くなった気がする! そりゃー淋しいけど、でも頑張ってる稜君に釣り合う人間でありたいじゃん!」

ニンマリと笑顔を浮かべた私に、クリクリと目を見開いたおねぇーは、

「お姉ちゃんの居ぬ間に、すっかり大人になっちゃってさー!!」

私の頭をくしゃくしゃと掻き回しながら、ちょっと嬉しそうに笑った。


「もー!! 頭モジャモジャになっちゃったじゃんっ!!」

「あはは! 鳥の巣みたいで可愛いよ~……あっ、出てきたっ!」

モジャモジャになった私の頭を更に掻き回したおねぇーは、まるで何事もなかったかのように、嬉しそうにピッチに視線を落とす。


「まったくもー……」

せっかく上手くセット出来たのに。

髪を乱されて、口を尖らせながら髪を撫でつけていると、そんな私をチラッと見たおねぇーは、何故かいたずらっ子のように笑った。


「……何よ」

「髪なんか気にしてないで、ちゃんと視線に気付いてやんなさいよー」

「えっ!?」

彼女の一言に、私も慌ててピッチに視線を向ける。

するとそこには、じーっとこっちを見る稜君の姿が。


「……っ」

あぁ、やっぱりカッコいいなぁ。

普段の稜君だって、それはもう堪らなくかっこいいけどさ。

ブルーのユニフォームに身を包み、普段とは違う雰囲気を纏う彼に胸がキューっとなる。

だけど、勝手にキュンキュンしている私を見上げながら、稜君は何故か小さく首を傾げた。


「……」

何だろう?

ハテと思いながら眉を顰めた私の前で、自分の頭を指差しながら笑っている。


「――あぁっ!!」

この頭か!

モジャモジャの頭かっ!!

慌てて“この人が!!”と言わんばかりに、おねぇーを指差した私を見て、稜君はまた一人で楽しそうに笑いをかみ殺していた。

その笑顔があまりにも可愛すぎて、思わず溜め息が漏れてしまう。

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