Do you love“me”?

お母さんに急かされるように大きな白い建物の中に入ると、目の前にはクロークと受付。

その奥に続く、白い空間。

天井は大きな吹き抜けになっていて、目の前には豪華な螺旋階段!!

何ここっ!!


さながらアメリカの“超セレブのお宅”的なその内部に、ちょっと――いや、かなり大興奮。


「美月! きちんとご挨拶しなさいっ!」

呆然とする私に、お母さんがそう声をかけて、ハッとして向けた視線の先にいたのは受付の皆さん。

……ん?
んーーーっ!?


「りょう、くん?」

気付いた時には、そう口にしていた。


「――え?」

私の声を聞いたその人は、芳名帳に落としていた視線を、ゆっくりと上げる。


「川崎……稜くんですよね!?」

「あ、はいっ! 川崎 稜(かわさき りょう)ですっ!!」

にっこりと笑うその顔に、もう失神しそうになった。


「何でこんな所にっ!?」

本当になんでっ!?

この人、サッカーの日本代表の凄い人だよ!?

いや、そもそも花婿の航太(こうた)君だって凄い人なんだけどさ!!


軽くパニックを起こしている私に、「俺、航太と仲良しなんで、受付です!」と言って、楽しそうな笑顔を向ける。


なんて豪華!!
なんたる贅沢っ!!

もう、ホントに信じられない……。

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