Do you love“me”?
布団に潜り込んで、どれくらい時間が経ったのか。
「……ゴホッ」
喉に違和感を覚えて、私は少し咳込みながら目を覚ました。
普段あんまり使ってない部屋だから、乾燥しているのかな?
もぞもぞと体の向きを変ると、視線の先に入り込んだデジタル時計は、夜中の三時半過ぎを表示していた。
あれから、しばらくリビングで話していたのであろう、稜君と航太君。
小さく息を吐き出した私は、視線を隣でスヤスヤ眠るおねぇーに移した。
そうだよね。
もう、さすがに寝たよね。
ゆっくりと布団を捲ると、おねぇーを起こさないように起き上がり、カラカラになった喉を潤す為に、キッチンに向かった。
ゆっくりと客室の扉を開けると、廊下は暗く、静まり返っている。
やっぱりもう寝たんだ。
あー、でもリビングに航太君がいるんだっけ。
そんな事を思いながら、廊下を素足でヒタヒタと歩いていく。
突き当たりのリビングのドアからも光は漏れていなくて、何も考えずにノブに手を伸ばし、その手を止めた。
「……」
私の耳に届いたのは僅かに聞こえる歓声と……。
「で、どうすんの?」
そんな、航太君の声だった。
電気が消えていたから、てっきりもう寝ているものだと思っていたのに。
でももうこんな時間だし、きっと話しも終わって、いつものように二人で今日の試合の録画を、見ているのかもしれない。
それだったら、きっと入っても大丈夫。
そう思って、一度止めた手をもう一度伸ばし、ドアノブを握りしめた瞬間。
「この部屋、解約すんだろ?」
航太君の言葉に、私はその場から動けなくなってしまった。