Do you love“me”?
「美月」
「うん」
「愛してるから――」
「……」
「もう少しだけ、待ってて」
「……っ」
そのまま私の返事を呑み込むように唇を塞いだ稜君は、静かに唇を離した後、いたずらっ子のように笑って言ったのだ。
「布団はもうないけど、ベッド送るの最後にしてよかった」
「えっ!?」
そのまま驚きの声を上げる私の身体をひょいっと持ち上げ、足で器用に扉を開けると、寝室のマットだけになったベッドの上に、私をポーンと放り投げた。
「わぁっ!!」
ビックリして大声を上げる私を見て、ケラケラと楽しそうに笑うと、
「さっき、元気って言ってたもんね」
覆いかぶさりながらそんな事を言って、今度はさっきよりも深く深く、私の心臓を狂わせるキスを落としたんだ。
短い呼吸を繰り返し、お互いの熱を伝え合う。
もう何度も体を重ねたはずなのに、稜君に抱きしめられる度、まるで初めての時のようにドキドキしてしまう。
さっきまで少し肌寒かった部屋も、今ではもう熱いくらいに感じる。
私は稜君の首に回していた腕をそっとほどき、そのフワフワの髪の毛に指を通した。
そしてそのまま、耳の後ろ辺りまで指を流し、ぼんやりと開いた瞳で稜君を見上げる。
その瞬間、動きを止めて顔を上げた稜君が、私の目を見ながらフッと笑った。
「それ、癖?」
「……え?」
少し苦しそうな呼吸のまま紡がれる稜君の低い声に、また私の胸がキュッとなる。
「その指」
「指?」
「ん……」
また少し笑うと、私の髪をサラリと梳いて、その長い指を耳の裏辺りにそっと這わせた。
「……あっ」
ピクリと反応してしまった私を見て、ちょっと困ったように笑った稜君は、
「俺、それにすげー弱いっぽいんだけど」
私の唇を一瞬塞ぎ、そのまま耳元に移した唇で囁いた。
稜君が愛おしい。
一緒にいたら、心はこんなに穏やかで、こんな毎日がずーっと続いたらって、私は心から思うんだ。
――きっと稜君も、同じ気持ちだよね?
「稜君?」
「ん?」
「幸せ」
「……俺も幸せ」
そう思っていて、いいんだよね?