Do you love“me”?
どれくらいそうしていたのだろう。
自分の身体が、寒さでガクガクと震えているのに気付いて、ハッとした。
時計に目を落とすと、その針はもう二十三時過ぎを指していた。
その間、一度も鳴る事のなかった携帯電話。
私は震える指で、もう一度稜君に電話をかけた。
「繋がらないか……」
繰り返されるアナウンスに、私は自嘲的な笑を零して、稜君の香りが微かに残るマンションを後にしたんだ。
本当に本当に、後悔でいっぱいだった。
けれど、次の日の夕方、稜君から届いたメールを見た瞬間――
“間に合わなくて、よかったのかもしれない”
泣き過ぎて痛む頭で、そんな事を思った。