Do you love“me”?


それは、どこまで優しい稜君からの“最後のメール”。

まだ続くそのメールを、私は最後まで読む事が出来なかった。


ねぇ、稜君。

たとえ“余計な事”を言っちゃったとしても、最後の言葉くらい、やっぱり稜君の口から聞きたかった。


――ううん。

やっぱり、メールでよかったんだよ。

だって稜君の顔を見ちゃったら、私はどうしようもないくらい稜君に縋って、泣きついて、きっと稜君をすごく困らせちゃったと思うから。


「これでよかったんだよ……」

自分に言い聞かせるように、ポツリと呟いた私の目からは、もう涙さえ出ない。


だけどもう少しだけ。

もう少しだけ、時間をちょうだい。

もう少しだけ気持ちが落ち着いて、稜君の気持ちをきちんと受け入れられる覚悟が出来たら――そしたら最後まで、稜君のメールを読むね?


だから今は、もう少しだけ――……。



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