Do you love“me”?
「“彼女に依存するな”それから“彼女の将来を、ちゃんと考えてやれ!!”って」
「ご、ごめん! そんなの、失礼にも程がある……!!」
慌ててそう口にした私に、稜君は小さく首を振った。
「いや、あの人の言う通りだよ」
「え?」
「“俺だったら、ちゃんと彼女の道を作ってあげられる”って、そう言ってた」
「……っ」
杉本さん。
「あの瞬間は“何だコイツ!!”って思ってムカついたけど、美月ちゃんにフラれたって思ってから、俺ホントにどうしようもなくなって」
そこまで口にして、空に向かって真っ白な息を吐き出す稜君の横顔は、前よりも更に大人びた気がして。
つい瞳を奪われてしまう。
「今回の事もそうだし。悔しいなぁー。何だよあのストーカー男!!」
そう言って、頭をガシガシと掻きむしった姿があまりにも可愛くて、“やっぱり稜君だ”なんて。
思わず吹き出してしまった私を、彼はジロリと睨む。
「美月ちゃん、笑い事じゃないでしょ?」
「えっ!?」
突然向けられた鋭いの視線に、私は素っ頓狂な声を上げた。
そんな私をもう一度引き寄せ、腕の中に閉じ込めると、大きく息を吸い込んで。
「このっ……慌てん坊!!」
稜君は、大きな声でそう言った。
――だけど。
「美月ちゃん」
次に聞こえたのは、私の名前を呼ぶ、少し震える声。
「辛かった」
「――……っ」
「淋しかった」
「……ん」
ちゃんと言葉を返したいのに、泣いて詰まった鼻のせいで、上手く返事が出来ない。
「だけど“美月ちゃんが選んだ道だから”って」
その言葉に、私は大きく頭を横に振る。
「一人で頑張ろうと思ったのに、全然切り替えられなくて」
苦しそうに言葉を紡ぎ、私を抱きしめる腕に力を込めた。