Do you love“me”?
だから、美青ちゃんをあんなに幸せそうに笑わせられる航太のプロポーズも聞いてみたいって……ただ、そう思っただけ。
それなのにっ!!
航太、すっげー拒否っ!!
「お前、もういい!」
「は?」
「美青ちゃんに代われ!」
「何でだよ!!」
「だってお前、ぜってー教えてくれねぇもん」
「当たり前だろっ!!」
普段は飄々としているくせに、無駄なところで照れ屋なんだよなぁっ!!
埒のあかない会話に、眉間に皺を寄せた瞬間、
「お前の言葉だったら、何でも喜ぶだろ」
耳に届いたのは、航太の呆れたような、そんな言葉だった。
“お前の言葉だったら”
そう言われて脳裏に浮かぶのは、俺の一言に、一喜一憂する美月ちゃんの姿。
「だろ?」
「……うん」
その返事を聞いた航太は、楽しそうに“くくくっ”と笑って、「まぁ、せいぜい頑張れよ」なんて言いながら電話を切りやがった。
「うーん」
今日は新作の搬入があるとかで、まだ仕事から帰らない美月ちゃん。
その間に、俺はリビングで一人胡坐をかいて考える。
あ、一人じゃないか。
「なぁー、ポーキー。お前も考えろよー!!」
ゴハンを求めてやって来たポーキーを巻き込んで、ゴロンと寝転び、天井を見上げる。
「ん~、どうすっかなぁ……」
溜め息交じりにそんな言葉を呟いた瞬間、
「たっだいまぁー!!」
リビングに響くいた、愛しいキミの元気な声。
「ただいま! あれっ!? ポーキーとイチャついてる!!」
ドアを開けて、部屋に入るなり唇を尖らせる美月ちゃんは、ホントにどこまでも可愛い。
ポーキーがオスだって知ってるくせに。
「見ないでよっ!! 美月ちゃんが遅いから、つい出来心で……」
ふざけてポーキを胸元に隠す俺を見て、美月ちゃんはケラケラと楽しそうに笑う。
「はぁー……」
「ん? どうしたの?」
「いやー、何でもないよー」
呆れられちゃうかもしれないけれど、俺はその笑顔を独り占めしたいんだ。