Do you love“me”?

「もう、わかってると思うけど」

そう前置きをして、真っ直ぐその瞳を見つめ、キミに精一杯の言葉を贈るんだ。


「愛してる」

「――……っ」

「心の底から、愛してる。だから――」

必死に悩んで、考えて。


「結婚して下さい」


それでも結局、俺が口にしたのは、信じられないくらいシンプルな言葉達。

それでも、俺はわかっているから。


「りょ……くんっ」

「なーに?」

「嬉しすぎて、言葉が出ない……っ」

「あははっ!」

俺の気持ちが、全部全部キミに伝わるって、わかっているから。


「世界で一番、幸せにするから」

「……」

「結婚してくれる?」

「――うんっ!!」

顔を覗き込みながら口にした質問に、美月ちゃんは、とびきりの笑顔で答えた。


「やったぁー!!」

「えっ!? ちょ、ちょっと!!」

その返事が嬉しすぎて、美月ちゃんを抱き上げた俺はバタバタ暴れる彼女を抱えたまま、メリーゴーランドみたいにクルクル回ってみたりして。


「やだやだー!! 怖いよー! おーろーしーてぇー!!」

「あははっ! 暴れると落ちるよー」

「いやー!! てゆーか、みんな見てるからぁー!!」

美月ちゃんの言葉に周りを見廻すと、俺達に興味深々な視線を向ける、外国人の皆さん。

いや、ここでは俺達が外国人なんだけどね。


「みんな、俺達が羨ましいんじゃない?」

「へっ!?」

俺に抱き上げられたまま、素っ頓狂な声を上げたその顔を見上げる。


「だって俺達、世界で一番幸せなんだから」

そう言って笑う俺に、一瞬驚いたように目を見開いた美月ちゃんだったけれど……。


――次の瞬間。

「じゃー、見ちゃうのもしょうがないか!」

少しだけ顔を赤くした美月ちゃんは、本当に楽しそうに、幸せそうに笑ってそう言った。


< 396 / 397 >

この作品をシェア

pagetop