Do you love“me”?

よくよく見ると、稜君の隣にいるのは、稜君と同じチームのゴールキーパー・最上 恭平(もがみ きょうへい)さん!


「も、最上さんまでっっ!!」

私の言葉を聞いた最上さんも、稜君と同じように、にっこりと笑って。

「こんにちは! 可愛いお嬢さんだねー」

そんな事を言ってくる始末!


「ちょっと最上さん。やめて下さいよ、こんなとこでっ!!」

「あーはいはい。いいじゃねーかよ。稜は見かけによらず、真面目君だもんなぁー」

「“見かけ通り”っ!! 大体最上さん、可愛い子捜すのに受付に立候補とか、ありえないですよ」


まるで言い合いをしているような二人を唖然としながら眺めていた私に、稜君がハッとしたように声をかけてきた。


「あっ! ごめんなさい。えっと、受付ですよね?」

「い、いえっ! 違うんです! 私、新婦の佐々木 美青(みお)の妹で……」

顔の前で、手をパタパタ振りながら、そう言った瞬間――

「えぇっ!! 美青ちゃんの妹!?」

稜君は大きな茶色い瞳をますます大きく、ますますキラキラとさせて、身を乗り出した。


「あ、はい!」

その勢いに、ちょっとビックリ。

「おい、稜っ!! 妹ちゃんビビってるからっ!」

「あっ!! ごめんなさい! ついつい」


ちょっと困ったように笑って、頭をポリポリ掻いた稜君に、

「お前、美青さん大好きだもんなぁ……」

最上さんが、ポツリとそんな言葉をかけたんだ。
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