Do you love“me”?

それから、おねぇーの作ったゴハンを食べて、なぜか私のお料理の出来なさを暴露されて。

少し休んで、みんなでおねぇーが持って来たワインと、稜君の家にあったお酒をまったりと呑み始めたんだけど……。


「へぇー! 美月さん、お酒強いんだ!!」

「そうなんですよ~。もう、ザル? “水道捻ると日本酒が出てきます!!”みたいなぁ~」

「いやいやいやいや。おねぇー? 言い過ぎね。あと、呑み過ぎね」


珍しく、お酒を呑んだおねぇー……酔ってます。


「美青ー。ホント呑み過ぎ」

「だってね!! 楽しいっ!! あと、お酒返してっ!!」

お酒を取り上げた航太君に、真っ赤な顔で満面の笑みを向ける。


「酒は終わり! お前はこっち!!」

手渡されたウーロン茶を、恨めしそうに見つめたおねぇーは、

「航太は……私のことが好きじゃなんだっ!!」

笑顔から一変、ブサイクなふくれっ面をする始末。


「いやいやいやいや。その返し、普通におかしいだろ」

「そうだそうだー! どうなんだ航太ー!!」

そんなおねぇーの一言に、航太君は慣れた様子で返事をする航太君と、何故か無駄に煽る稜君。

もうぐちゃぐちゃだ……。


「おかしくないっー! どうなの!? ちゃんと言ってー!!」

「お、おねぇー? 落ち着こう? 取りあえず、落ち着こう?」

頑張っておねぇーを宥《なだ》めてみたものの、効果はなく。


「どうなのぉーっ!?」

おねぇーに目の前まで詰め寄られた航太君は、

「帰ったら、ちゃんと言うから……」

溜め息交じりにそう言ったんだけど。

「ダメ!! いま言うのっ!!」

許してもらえず。

そんな二人のやり取りを見て、クスクス笑った稜君が、私に視線を落とす。


「しょうがないから二人にしてあげるよ。ちゃんと言えよ~? 航太ぁー。美月さん、行こう?」

そのままヒョイっと立ち上がると、私の腕を優しく掴んで、ベランダに向かったんだ。

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