Do you love“me”?
「そこまで連絡付かないのって、さすがにおかしくない? 他に女でもいるんじゃないの?」
ちょっと言い辛そうに、上目遣いでそう口にした結衣。
「そんな事ないでしょ! 人の彼氏の事、そんな風に言うのやめてよ」
「美月?」
まるで私の心を読むように、彼女ははじっと目を見つめたまま。
これをされると、私は弱い……。
「正直、」
「うん」
「よくわかんない」
「は?」
「私は理系じゃないし、大学院も出てないから。もしも秀君が嘘を吐いてても、それを見破る事は出来ないし。好きだから信じたいって思ってる」
だけどそれは、裏を返せば“疑っている”って事で。
私の様子に、結衣はまだ何か言いたげではあるものの“しょうがない”と言わんばかりに溜め息を吐いた。
「まぁ、それは置いといて。甘えたいだけなら、タメだって年下だってありだと思うよ?」
てっきり私の恋バナは終わるものだと思っていたのに、結衣はまだそれについて語り合うつもりらしい。
「う~ん、そうかなぁ……」
「だって、航太さんとか見てみなよー。あんなしっかり者の美青ちゃんを支えられるくらい、しっかりしてるんだよ?」
「航太君は、やっぱりちょっと特別じゃない?」
「ん~……。まぁ、そうかもだけどー」
唇を尖らせた結衣を眺めながら、目の前のジョッキに手を伸ばし、それを口に含んだ瞬間、
「あー! 稜君いいじゃん!!」
「ぶっ!!」
突然の言葉に、もう温くなっていたビールを噴き出してしまった。
「ちょっと!! 汚たなっ!!」
「だって、結衣が変な事言うからっ!!」
稜君への気持ちは誰にも話してないから、私のこの微妙な心境を、結衣は知るはずもない。
それなのに……。
いわゆる、女の勘ってやつだろうか。
「だって美月、最上さんの時に助けてもらったんでしょ?」
「そうだけど……」
「かっこいいじゃんっ!! 練習場からバイクで駆けつけてくれるとか、夢のようじゃんっ!!」
「……」