Do you love“me”?
「そうだ! きっとそのせいだー。スッキリしたっ!」
笑いながら隣をパッと見上げると、そこにはオレンジ色のライトに照らされながら、フッと小さな笑いを零す稜君がいて……。
「じゃー、俺と同じだ」
彼の嬉しそうな声と、その表情に、胸が少しだけ鼓動を速める。
「“同じ”?」
「うん、同じ! 今まで俺も美月ちゃんと同じように、色んな人にこの話してみたんだけど、誰もわかってくれなくてさ!」
「うん」
「初めて同じ感覚を持ってる人に逢った!」
「そ、そっか」
ありにも真っ直ぐな瞳に、顔がどんどん熱くなるを感じて、そっと頬に手を添える。
“同じ感覚を持ってる人”か……。
今までそんな事を、考えたこともなかった。
「だから、嬉しい」
「私も――」
“嬉しい”。
ニッコリと笑顔を浮かべた稜君に、そう伝えたかったのに。
その言葉が私の口から紡がれる事も、彼に届く事もなかった。
代わりに、ある一点に瞳を奪われた私の、僅かに震える口から漏れ出たのは――……
「何で……?」
そんな言葉だった。