Do you love“me”?
「シュウ? その子、誰」
言葉を失ったままの私とは打って変わって、まるで自分の存在を主張するかのように、秀君の腕に絡みつく女の子。
私とは全く正反対の、背がスラッと高くて、キレイな子。
その女の子に視線を落とした秀君は、何かを馬鹿にしたり、蔑んだりするような口調で返事をする。
「前、話したでしょ?」
「……あぁー」
合い言葉を合わせるように、秀君の言葉に納得した彼女は、憐れむようにも、馬鹿にしたようにも取れる視線を私に向けた。
そして、その艶々とした唇から、強い口調のまま言葉を吐き出したんだ。
「アナタさぁ、シュウが困ってるってわかんないの?」
「え?」
突然そんな事を言われても、私がその意味を理解出来るはずがない。
それなのに、私の反応に面倒臭そうに溜め息を吐いた彼女は、
「あなた、自分がシュウの彼女だとか、本気で思ってる?」
やっぱりどこか馬鹿にするように、鼻で笑いながら、自分の言葉に補足をした。
「は?」
意味がわからない。
私は、秀君の彼女でしょ?
秀君に視線を向けると、目が合った瞬間、スッと逸らされる。
「秀君」
「……」
やっと状況を理解し始めた私は、何も言わない秀君にもう一度声をかけた。
「秀君、どういう事?」
「だからさぁー」
「ごめんなさい。あなたじゃなくて、秀君に聞きたいの」
私の言葉に反応したのは、秀君ではなく隣に立っている女の子で。
その言葉を遮る私の口調も、自ずとキツくなる。
一度大きく息を吐き出し、その目を見つめた私に、秀君がやっと口を開いた。
「見たら解るよね?」
「……そうだね」
「この子は、俺の彼女」
「……」
「君は、彼女じゃないよ?」