Do you love“me”?

「シュウ? その子、誰」

言葉を失ったままの私とは打って変わって、まるで自分の存在を主張するかのように、秀君の腕に絡みつく女の子。

私とは全く正反対の、背がスラッと高くて、キレイな子。

その女の子に視線を落とした秀君は、何かを馬鹿にしたり、蔑んだりするような口調で返事をする。


「前、話したでしょ?」

「……あぁー」

合い言葉を合わせるように、秀君の言葉に納得した彼女は、憐れむようにも、馬鹿にしたようにも取れる視線を私に向けた。

そして、その艶々とした唇から、強い口調のまま言葉を吐き出したんだ。


「アナタさぁ、シュウが困ってるってわかんないの?」

「え?」

突然そんな事を言われても、私がその意味を理解出来るはずがない。


それなのに、私の反応に面倒臭そうに溜め息を吐いた彼女は、

「あなた、自分がシュウの彼女だとか、本気で思ってる?」

やっぱりどこか馬鹿にするように、鼻で笑いながら、自分の言葉に補足をした。


「は?」

意味がわからない。

私は、秀君の彼女でしょ?

秀君に視線を向けると、目が合った瞬間、スッと逸らされる。


「秀君」

「……」

やっと状況を理解し始めた私は、何も言わない秀君にもう一度声をかけた。


「秀君、どういう事?」

「だからさぁー」

「ごめんなさい。あなたじゃなくて、秀君に聞きたいの」

私の言葉に反応したのは、秀君ではなく隣に立っている女の子で。

その言葉を遮る私の口調も、自ずとキツくなる。


一度大きく息を吐き出し、その目を見つめた私に、秀君がやっと口を開いた。


「見たら解るよね?」

「……そうだね」

「この子は、俺の彼女」

「……」

「君は、彼女じゃないよ?」


< 67 / 397 >

この作品をシェア

pagetop