Do you love“me”?
たったそれだけの事なのに、胸の中に温かい気持ちが広がって、自分の胸のドキドキに焦ってしまう。
――でも。
あぁ、そうか。
私はすぐに、自分の中に広がったこの気持ちが何なのか、わかってしまった。
それは……“憧れ”。
彼の表情は、航太君が時折見せる、おねぇーを見つめる時のものに似ていたから。
おねぇーの事が、大好きな私。
翔太さんと同じ優しいおねぇーを見つめる航太君と、見つめられるおねぇーの関係に憧れていて……。
この感情は、それが少しダブっただけ。
愛だの恋だのとは違う、“憧れ”の感情。
そもそも、私には彼氏がいるし。
まだ付き合って半年だけど、それなりに上手くいってる。
おねぇーに憧れる私。
唯一違うのは、私のタイプが年上の男の人ってところ。
“やっぱり男は年上だよっ!! 年上の彼氏が欲しいっ!!”
そう息巻いた私に、その頃から航太君と付き合っていたおねぇーは“あんた、私にケンカ売ってんの!?”と、ちょっと怒ったフリをしたあと、楽しそうに笑っていた。
五歳年下の航太君と結婚をした、おねぇー。
きっとそこだけは、私には真似できないと思う。