家出少女×俺様御曹司の偽装結婚ラプソディ*【完】
翔side
俺は隣で眠る羅夢の頭を優しく撫でる。
もちろん起きないように。
なんで、こんな細ぇんだよ…
心配になっちまうだろ…
可愛すぎだろ…
手離せばこいつはフラフラとどこかに行ってしまいそうで怖くて。
こいつを誰にも渡したくなくて。
なににもかえがたく大切で。
俺から離れられないように。
そっと、抱きしめた…
「いつまでもそばにいろよ……」
本音が声に出て。
願いが届くように。
俺は…いつまでもそばに羅夢がいて欲しい。
いなくちゃダメなんだ。
こいつは…必要不可欠なんだよ。
でも…
こんなささやかな願いがかなわないなんてこの時俺はまだ知らなかった。