家出少女×俺様御曹司の偽装結婚ラプソディ*【完】
だからかな、翔のことも心の奥底では本当は信じてないんだと思う。
わからないんだ。
ホントの愛が。
人を愛するって事が。
たぶん…
怖いんだ。
愛するってことが。
もしかしたら、朝起きたら翔がいなくなっていたら……
そんな衝動に駆られる。
翔だって、いつかはあたしに飽きて捨てていく…
あたしと結婚したのだって、親に決められた結婚相手と結婚したくないから。
あたしが、たまたま近くにいたから。
ただそれだけ。
好きなのは、ホント。
でも、だから怖い。
翔があたしのそばにいなくなってしまった時…
「嫌だ…嫌だ…ずっとそばにいてよ…」
頬に鋭い痛みが。
ぺちぺちぺちぺち
何の音?
「おい、羅夢っ!羅夢っ!大丈夫か?!しっかりしろ!」
ん…翔の声…