家出少女×俺様御曹司の偽装結婚ラプソディ*【完】
「確かに翔には、わかんないかもしんないけど。」
気がついたらキツイ声が出てて。
「羅夢?どうしたんだよ?」
翔が困惑したように問いかける。
「でもさぁ、辛くったって現実を見て、向き合って清算して、生きていくしかないじゃん?」
「翔には、どうせわかんないてしょ?愛されて生きてきてない子の気持ちなんて。あたしは…父親だって、人に言えるような人じゃないし…なに不自由ない生活してきた翔には也わかんなくて当然だよ!」
気付けば叫んでた。心にもない言葉。あたしが言いたいのはこんなことじゃないのに。
「おい…羅夢っ!」
翔の言葉を背に受けながら、あたしは何故かその場から走り出していた。