恋、涙 …【3】〜俺の大切なもの〜
希がそう言いながら抱き上げるのは、生後3日目の娘、結愛だ。
この病院は母子同室を推奨していて、結構早い段階から一緒にいれる。
「結愛ー、元気か?」
希の腕の中にいる結愛に声をかけながら、頬をつついてみる。
不思議そうに俺の方を見る結愛に、思わず笑ってしまう。
「ラッキーだったね、かーくん。結愛ね、さっき起きたばっかりなの。」
そうなのか?
「昼間に茉央とお母さんが来た時も寝てたし……あ!結愛、もしかしてパパ来るのわかったのー?」
もしそうなら……
すっげぇ嬉しいけど─
「…かーくん、ニヤけてるよ?」
「え…あ、あはは…」
希にそう指摘され、俺は誤魔化すように苦笑い。
その直後、結愛が何故か泣き出してしまった。