恋、涙 …【3】〜俺の大切なもの〜
陽翔が快く引き受けてくれたので、朝のHRの後、早速お義母さんに連絡を入れた。
お義母さんは「希に言っておくわ。あの子、絶対喜ぶわよー?」と、楽しそうに言っていた。
電話の向こうでは、さすがに起きていたらしい茉央が何やら叫んでいた。
お義母さんに訳を聞くと、最近お気に入りのアニメに熱中しているらしい。
アニメかぁ……
俺が茉央と一緒に観たのは、あの有名なパン型ヒーローのやつぐらいだな。
なんてことを考えながら電話を切り、俺は早く帰れるように仕事に取り掛かった。
「かーくん!」
時は経ち、夕方。
出来るだけ早く仕事を切り上げ、俺は希のいる病院へと向かった。
希は、俺の姿を見るなり嬉しそうに笑った。
「久しぶり……って言うほどじゃないよな。希、体調……どうだ?」
「うん、大丈夫。明後日には退院出来るから。…ほーら、結愛。パパ来てくれたよー?」