STAR

「いや…何なん、って聞かれても。」

「何で今日はそんなあたしで遊んでるんですか!?」

いつもは笑って(今も笑ってるけど)今日はなんかチクチクと嫌味っぽく言ってくるし!

「…だって、愛ちゃん、泣きそうやのに…怒らせてないと、泣いてまうやろ?」

何でだろう。別に、悲しい訳じゃないのに。泣きたい訳でもないのに。

…ただ、目の前がぼんやりにじむ。

…ただ、先輩の優しさが暖かかった。安心するんだ。


「…泣いたらエエやん。泣いた後で…話、聞いたるから、な?」

「せんぱ…い、」





…それから、先輩は話を聞いて、ずっと傍に居てくれた。

話の内容なんか全く分からなかったと思う。

なんでだろう、でも…

先輩の優しさが、あたしを素直にさせてくれたんだ。



< 23 / 40 >

この作品をシェア

pagetop