STAR


「…ありがとう、新――」


2人で話をしながら歩いていると、新の優しさを改めて実感する。

まだまだ昇を忘れられてないあたし。

別に昇が嫌いになったわけでもなく、振られたわけでもないんだけれど。


「…いつか、俺のこと好きにさせるからな!」


あたしの頭を繋いでない方の手で撫でながら笑って言う新に、


「ん?新の事別に嫌いじゃないよ?第一、嫌いだったら付き合わないしね!」

「ちゃう!それは「友達」としてやろ?恋愛感情で、好きになってもらいたいねんって!」

新の優しさにまた、触れた気がした。




学校に着くと、新はそっと手を離した。

「やっぱり…手ぇ繋いでるんは見られたくないやろ?」

新はそう言ったけど、あたしは別に大丈夫だよ、って思った。

昇じゃなくて、新が彼氏。
彼氏と、友達の前で手を繋がないなんて…、カップルに見えないだろうし。


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