STAR



「愛ー?そしたらまた昼に迎えに来るから!」

「はーい!」


毎朝新はあたしのクラスまで送り届けてくれる。

そして必ず昼休みの約束をして自分の教室に向かう。

でも新はまだあたしが昇のことを忘れられて居ないという事に気付いているからか、何も手を出してこない。


「…愛されてるねー」

去って行く新を見ながら恵美が呟く。

今日は章くんも珍しく遅刻だ。

「そ…だよね?やっぱり。」

「昇くんの事はもう良いの?」

恵美の言葉に一瞬、動きが止まる。


「…そうだね、今は新に惹かれてる。」


あたしが曖昧な態度を取っている事に恵美も気付いていたんだと思う。
でも、昇より新のことが好き。

多分そういえるんだ。

…今は。


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