STAR
夏祭り
元カノ
「…元カノ、って言って良いんかはわからへんねんけど。」
新の切なそうな顔を見て胸が締め付けられた。
「俺…、教師の事好きやってん。」
「え…っ?」
「引くやろ?」
苦しそうに微笑む新。
この話は聞かないほうがいいのかな?
「引かないよ。」
私の言葉を聞いて新はいつものように笑った。
「大阪に居たときにな、数学の先生と仲よかってん。」
新の言葉に静かに頷く。
時折道の指示をしながら。
「先生は俺の事よく気に掛けてくれててん…一時期、荒れてた時期あったから。」
「荒れてたの?」
「でもそんな悪い事はしてないで!」
昔を思い出すように笑って言う新。
「…優しい先生が、いつの間にか好きになってた。」