僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?

『いらない家具があったら、別の部屋に移していいから。奥の好美の部屋以外なら、ほんとはどこでもいいんだけど。まぁ、この部屋が一番居心地がよさそうかなって思って』

『弘美さんがそう思うなら、僕、この部屋にします』

机の上には、幼い弘美さんと両親の仲良く並んで写った写真が飾ってあった。

優しく笑う両親の間に挟まれて、屈託なく笑う可愛い少女。

弘美さんにとって、この家が唯一、愛し愛され、守られていた思い出の場所なんだと思った。

だから僕は、その思い出を壊すわけにはいかない。
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