僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「ふぅ、いいお湯だった。あ、孝幸くん、お風呂のお湯、抜かないでね。明日はあたし遅番なの。朝、残り湯で洗濯するから」
弘美さんがバスローブ姿で居間に入って来た。
髪はまだ濡れたままだ。
「弘美さん、湯上りに何か飲みますか?」
僕は冷蔵庫を開け、中を覗きながら弘美さんに声をかけた。
「あっ、そうだ、プリンありますよ」
「あっ、それいいね。あれ、でもあたしプリンなんて何時買ったっけ?」
「僕ですよ。疲れてる時は甘い物が欲しいかなって思って」
「気がきくじゃない。あたしプリン大好き」
弘美さんは、僕がスプーンをつけて差し出したプリンを美味しそうにすくった。
「今日は入浴介助が三件もあって、もうクタクタなの。中腰での作業は辛いわ。あたしだって、お風呂に入れてもらいたいくらいよ」
弘美さんは、腰をさすりながら伸びをした。