僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?

新宿でママと彼と三人で夜のレイトショーを観た後、食事する場所を探して歌舞伎町の雑踏の中を歩いていた時だった。

パパとばったり鉢合わせした。

パパはほろ酔いをとっくに越した千鳥足で、もう完全な酔っ払い。

それでも、娘の顔を見誤るわけないでしょ。

「好美、なんだ、こんなとこで、こんな遅くまで」

って、あたしの腕を力任せに掴んだの。

「ちょっと、やだ、パパ、恥ずかしいじゃない」

あたしは、その腕を振り払おうともがいた。

だって、もう、子供じゃないし。

酔って足元ふら付いてるパパは、非力なあたしの力でもあっけなく掴んだ腕を振りほどかれ、地面に倒れこんじゃった。

実際、よろけて自分で尻餅をついたわけたけど。

パパはそのままその場に座り込んじゃった。
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