僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「こらっ、親をなんだと思ってる、けしからん。どいつも、こいつも、兎に角、けしから~ん」
いつも冷静沈着なパパが、地面に座り込んで大声で叫び出した。
そんなパパの様子を見て、あたしは只びっくり。
「あなた、みっともないわ。早く立ちなさいよ」
って、見かねたママがパパに手を差し出したの。
パパはそれまで、あたしと一緒にいたのがママだって、全然気がついてなかったみたい。
まあ、仕方ないかも。
髪型もショートに変えて。
服装もジーンズにパーカーって感じのラフな普段着で。
パパがいつも見慣れていた重役の奥様然としたママとは、随分雰囲気違ってたからね。
でも、パパはママの顔を見ると、突然真顔になって立ち上がったの。
「弘美……」
って、もう泣きそうな顔でママに抱きつかんばかりで。
見てるこっちが恥ずかしくなっちゃった……