僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?

「ほら、弘美さん、また無理してる。
それに僕にとって、弘美さんはお婆ちゃんじゃありませんよ。
言ったでしょ、女神だって。
僕だって、右も左もわからない子供じゃありません。
女と男の関係だって、社会の力関係だって、良くわかってるつもりです。
その上で、僕は、自分が生きる気力を維持できるような生き方をしようって決めたんです。
今の僕にとって、それは弘美さんを幸せにすることです」


肩に添えられた手に力がこもった。

少し抱き寄せられたように感じたのは気のせいじゃない。


彼はあたしの惨めな気持ちを見透かしていたってこと?

その上で、あたしに寄り添おうと手を差し伸べているってこと?

これは愛の告白?

それとも、鶴の恩返し的な、奉仕宣言?
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