僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「でも、なんですか?」
「でも、君は男として、それで満足なの?
あたしのことを母親みたいに思ってくれてるってこと?」
「それは、僕が弘美さんを女として見てないって意味ですか」
彼はちょっと強い口調でそう言うと、あたしを抱く腕に力を込めた。
彼の身体があたしの背に密着する。
あっ……
太ももの辺りに触る固い感触。
「僕も男ですからね」
彼の微かな囁きが聞こえた。
「でも、今僕に抱かれてそういう関係になったら、弘美さん、きっと後悔するでしょう」
私はその問いかけに答えることが出来なかった。
「わかってますよ。
だから、僕は待ちます。
今はこうして眠るだけで十分です。
……おやすみなさい、弘美さん」
彼はそう言うと腕の力を緩め、私を包み込むように抱きしめ直した。