僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
邦子は独身のキャリアウーマン。
私達の世代ではさして珍しくもないんだけど。
見るからに活き活きとして、ブランド物に身を包んだ彼女は、自立して生きるカッコイイ女を演じている。
そして恋多き女なのだ。
「あたしが好きになるのって、何故か妻子持ちなんだよね」
諦め口調で自分の恋を自虐的に語る彼女だけど、人一倍子供好きなのを私は知っている。
長い付き合いだからね。
年下の男と結婚寸前までいったこともあるじゃない?
結局仕事を捨てられずに別れちゃったけど。
故郷に帰って家業を継ぐという彼と、随分長いこと揉めていたのを思い出した。
もしかしたら、邦子が既婚者限定で恋に落ちるのは計算づくのことなのかもしれない。
それは、本気にならない為のブレーキ。
本当は彼のことが忘れられないのかも、なんて……