僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?

「邦子ってば、そればっか」

「だって、弘美は一度気を許すと見境ないとこあるからさ」

「ありがと。

でも……、もしそうでもいいんだ。

だってホント、あたし救われてるから。

あたしさ、この歳になってやっと判ったことがあるの。

あたしって愛されたかったんだって。

正博さんとの時も、愛されてることが嬉しくて見境なくなった。まあ、若かったっていうのもあるけどね。

愛することより、愛されることを優先した結果がこれだよ。

正博さんの気持ちもいつの間にかあたしから離れていった。

好美にしたって、無条件の愛を注いで育てたつもりでも、何処かで見返りを求めてたところがあるんだと思う。

だから失望するんだって、最近ようやく分かった。

だから大丈夫。期待はしてない。見返りも求めない。

今は冷静に彼との関係をみれてると思う」
< 159 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop