僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
五歳年下の彼と半同棲の暮らしを始めたのは、あたしが三十五になった頃。
結婚を視野に入れた、本気の恋だった。
社会人になって十年を過ぎて、自分なりの仕事ができるようになった半面、自分の限界も見えてきて。
仕事は好きだけど、家庭も持ちたい。
子供を作るなら今が最後のチャンスかな、なんて。
女だもの、愛される幸せに浸ったっていいじゃない。
外では、女だてらに企業戦士の鎧を纏ったあたしだけど、彼の前では可愛い女でいたかった。
彼は東京の大学を出て、普通に広告代理店の営業マンをしていたから。
このまま二人の生活が続けば、結婚するんだと思ってた。
愛とか恋とか、そんなまどろっこしいもの乗り越えて、馴染んでたんだよね、彼に。