僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?


彼の三十二歳の誕生日にプロポーズされて。

嬉しかったな、単純に。


でも……

「くーちゃんには、一緒に金沢に付いてきて欲しい」


その一言に思考が固まった。


なんでも……

彼は両親が遅くに授かった子なのだそうで。

彼の父親は、その年に七十二歳になるという。

彼を東京の大学に出す時の約束が、十年経ったら故郷に戻って家を継ぐこと、だったのだ。
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