僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?

だから、好美を身ごもったと分かった時も、一人でなんとか出来ると抱えこんだ。

誰に相談するつもりもなかったのに。

結果的には、親にばれて、好美を生むことになったけど。

そんな成り行きの結婚だって受け入れてきた。

母の看病も父の看病も、一人で乗り切ってこられたんだもの。

夫の浮気くらい、なんとかやり過ごせると思ったけど。


(でも、あれだけは許せなかったな……)


そう、あの頃から、私の忍耐力も衰えてきたのかもしれない。

良い子でいるとか、良き妻であるとか、良い母でいることに飽きたのかもしれない。

結局、誰も私の努力とか、献身とか、諦めとか、そういうものを認めてはくれなかったのだから。
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