僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
私は、両手で自分を抱きしめた。
(がんばったよ、がんばってきたよね。少し気を抜いてもいい頃だよ)
慰めるように、自分を自分で抱きしめてみても温もりは伝わらない。
なんだか余計に気分は落ち込んで、溢れてくるのは涙ばかりで。
何故こんなにも涙が溢れるのか。
いったい全体、何故なのか。
認められない自分が惨めだから?
家族の愛を信じていた馬鹿だから?
四十も過ぎて、大晦日に一人ぼっちだから?
(そっか、あたし、寂しいんだ。寂しくて、寂しくて仕方ないんだ。だから人恋しくて涙が出るんだ)
そんな単純なことに、今更気づいた。
私は、彼の、畠山孝幸の温もりを求めているのだと。
寄り添ったつもりが、寄り添われていたのだと。