僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
気分は全くもって最悪で。
まぶたを閉じれば、そのまま息絶えてもおかしくはない状態だった。
僕は強張った身体でやっと立ち、足元にある空き箱に視線を落とした。
霞む目に写るのは、何故か鮮やかな水色。
そこには今朝、古紙回収のゴミ集積所で拾った水色の菓子箱があった。
『ゴミ集積所から資源ゴミを勝手に持ち去るのは窃盗に当たる』
そんな考えが僕の頭をよぎったのは、まだ僕に少しの理性が残っていたからだろうか。
絵に描いた空のような鮮やかな空色。
まやかしの青空。
故郷秋田のよどんだ雪空にも似た、今日の東京の曇り空の向こうに、それでも青空が広がっているのかな、なんて。
ほんの僅かだけど、僕の心に明るい希望を落としてくれたんだ。