僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?

「ね、先、お風呂にしたら? 身体も温まるし」

私は、傍らに立つ畠山孝幸を見上げた。

「ほら、お父様をお風呂へご案内して……

あたし、着替えがないか探してくる。多分、父の服が丁度着れるんじゃないかと思うの」

「弘美さん、すいません。ほら、親父、靴脱いで。ほら、こっち……」

やっと廊下へと上がった二人の様子を目で確認し、その横を通り過ぎながら、私は小さく彼に囁いた。

『きみも一緒に入った方がいいよ。何があるかわからないし。それと、お湯はちょっとぬるめにしてあげて。あのしもやけじゃ、きっとしみるだろうから……』


『はい』


彼は少しだけ神妙な面持ちで、小さく頷いた。
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