僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
田舎に戻らなくなってすぐに路上に出た訳ではないだろうけど。
それでもこの都会で、一人でずっと生きてきた、彼の父親のことを思うと心が痛んだ。
(やっぱり、あたしは幸せなのかな……)
そう納得せずにはいられない。
それにしても、洗面所がなにか騒がしい。
やはり、服が身体に合わなかったのだろうか。
「あの……、服、合わなかったかしら……なにか必要なものとかありますか……」
あたしは、扉の外から、気遣うように声をかけた。
と、突然、洗面所の扉が開いた。