僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「弘美さん、これ、見てくださいよ!」
畠山孝幸が、興奮した顔であたしに何かを差し出した。
「これって……通帳じゃない?」
それは大手都市銀行の見慣れた通帳で。
口座名義人は、畠山信幸。
「お父様の通帳でしょ? それが何か?」
「何かって……いいから、中、見て下さいよ」
「えっ、でも……」と、あたしが戸惑っていると、
「もう、ほら、かして下さい」
そう言って、彼が通帳の最後のページを開いて見せた。